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日記2018年2月23日 金メダルの食事

2月は一年の中で一番冷え込む月ですが、平昌オリンピックの雄姿が気持ちを熱くしてくれます。

メダルを獲得するまでの物語は選手の人となりを知ることができ、その中でいつも興味深く見ているのが選手たちの食生活。

金メダルを獲得した選手たちはいったい何を食べて強くなったのか?

 

「どんなに良い練習をしても、食べるもので身体作りが決まります」とは、スピードスケート女子500mの小平奈緒選手の言葉。

 

オランダ留学中に洋食が合わなく、体調不良の原因が卵や乳製品による遅延性アレルギーにあったことがわかりました。

和食中心に変え、雑穀ごはんや緑黄色野菜たっぷりの煮物、たんぱく質は低脂肪のものをしっかりと入れた一汁三菜の勝負飯にして体調回復。

そして、実力をフルに発揮できるようになりました。

アレルギーの原因になりやすい小麦で作るパンの摂取にも気をつけるようになったそうです。

 

そして、見ごたえのあったパシュート(スピードスケート団体追い抜き)。

これは相手に合わせることが得意な日本人の性質にはまる競技と言われます。

大活躍した高木姉妹は海外遠征や試合中はとにかく「ごはん・ごはん・ごはん」

ごはんを優先的に食べないと痩せてしまい、エネルギーも持続力も持ちません。

妹の高木美帆選手は貧血があり、鉄分補給にはしじみを活用。

佃煮のしじみやしじみのみそ汁をよく食べていたそうです。

 

最後はフィギュア男子の羽生結弦選手。

食の細さが体調不良の原因と言われ、スタミナ不足が指摘されてきました。

食事改善のために出汁で食欲を刺激して、野菜をたっぷり入れた鍋料理や小さく握ったおにぎりが功を奏しました。

これによって栄養補給が促進されて、食の楽しみも増したそうです。

金メダルを決めたフリー演技前の食事は豚の生姜焼きとトン汁の豚づくしメニュー。

豚肉はビタミンB1たっぷりで炭水化物の消化には欠かせない栄養素なのでこれも理にかなっています。

 

フランスの美食家として知られるブリア=サヴァランの名言があります。

「どんなものを食べているか言ってみたまえ。君がどんな人間か言いあててみせよう」

それをスポーツ選手に当てはめるとこうなるかも。

「どんなものを食べているか言ってみたまえ。君がどこまで伸びるか言いあててみせよう」

 

スポーツ選手は身体能力を発揮する身体作りのために、大事な栄養をいつ、どのように摂取するか、

合理的かつ科学的根拠に基づいて食事をするようになってきています。

そして、栄養補給のアイデアや食事の内容を考えると日本人の食生活として理想的なものに繋がっています。

勝負へのストレスにさらされる選手にとって、食をコントロールするのは大変厳しい練習ですがそれが勝負の分かれ目。

スポーツ栄養学の進歩と共に食のプロフェッショナルとしてサポートを担う管理栄養士たちの切磋琢磨に今後も大いに期待したいです。