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日記2016年4月15日 甘さのなかにある苦味

結婚式の引き出物といえば、ギフトカタログ、食器・タオル類など、食べ物ではお菓子や米、鰹節などいろいろあります。

30年以上前では砂糖も引き出物によく使われていました。
砂糖を鯛の形にして固めたもの、白とピンクの角砂糖セットやバラの形にした角砂糖などもあり、 食べるのがもったいないような気がしたものです。
砂糖が貴重品だった時代の名残を感じます。

 

先日、「あまくない砂糖の話」という映画を観てきました。

これはオーストラリア映画で俳優デイモン・ガモーが監督・主演をしています。

これを見ると、砂糖の存在が現代では変わってしまったことがよくわかります。

 

食生活も体も健康だった監督が1日160gの砂糖を60日間食べ続けたらどうなるか?という人体実験を映画の中で行いました。

砂糖をとるために選んだ食品はジャンクフードや炭酸飲料そしてお菓子などからではなく、健康食品として販売されているもの。

ヘルシーなイメージの低脂肪ヨーグルト、穀物バー、フルーツジュース、シリアルなどには、実は多くの糖分が入っていることがわかります。

 

ところでなぜ、1日160gの砂糖なのか?

この数字はオーストラリア人の平均摂取量です。

ちなみに日本の平均は50g。
WHO(世界保健機関)では昨年、肥満や生活習慣病を予防するために 砂糖の摂取目安は25g程度を推奨しました。

日本もWHOの基準に照らし合わせれば、自慢できる数字ではないのです。

 

砂糖を実際に160g使って調理して食べようとしても、とても甘すぎて食べられません。
この映画で言わんとしているのは砂糖そのものよりも、加工食品や市販食品が甘味を取りやすい糖分(異性化糖)に 変化させて大量摂取につなげていることを伝えています。
500mlの炭酸飲料は1本飲めば50gはすぐに摂取されますがそれほどの甘味を感じないでさっぱりと飲めます。
ヘルシーな食品でも、アイスクリームでも、チョコレートでも、おいしいと感じる味のバランスを追及し、 やみつきにさせるための企業の戦略を伝えるのも映画の目的でした。

 

そして、結果がどうなったかは、ぜひ映画館で!
といっても見られない方はこの先を読んで下さいね。(映画を観るつもりの方はぜひ、飛ばしてくださーい(^0^)
まず、体形はスリムな身体からぽっちゃりお腹に変化し、血液検査ではほとんどの数値で異常が発生し、 特に肝機能の数値が危険値となりました。
精神的にもだるさや気力の落ち込みなどが現れて、糖分への依存的症状(すなわちドラッグ的症状)もでました。
この映画は思ったよりもファンキーでコメディータッチでしたが、一番、ショッキングだった場面は
少年の歯が全部虫歯になり、溶けてしまったような状態の歯を歯科医がすべて抜くシーン・・・。
そして、この少年は痛さに泣きながら抜いたにもかかわらず、原因となったドリンクがやめられないということ。
なんてことでしょう!怖くなります。。。

 

この映画が見せてくれた現状は多かれ少なかれ日本でも起こっています。
便利を追及することで自然の食品が精製されたり、加工されることで本来の良さがどんどん失われていきます。
砂糖が異性化糖に変化して普及したことで、砂糖全体のイメージも変わり、 貴重品として存在していた頃の砂糖ではなくなりました。

 

甘味はおいしいですが、本能のままに行動すれば暴走になり、理性でのコントロールが必要です。
特に子供こそ、その矢面に立ち、直面していると感じます。

 

大学の授業で閾値の味覚実習を行っていますが、甘味を限りなく薄めていくと、味覚には苦みを感じるようになります。

まさに、この映画では甘味のなかの苦みをたっぷりと感じることができます。