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日記2016年2月12日 石塚左玄の言葉から

ふきのとう、うるい、たらの芽、こごみ、わらびなど、春の訪れを感じさせる山菜が野菜売り場で目立つようになってきました。

 

「春苦味、夏は酢の物、秋辛味、冬は脂肪(あぶら)と合点して食へ」

これは明治時代に食育を初めて提唱した石塚左玄の言葉です。

季節の食べものは身体のリズムに合っていて、体を調えてくれることを示しています。

医師であり、また薬剤師でもあった石塚左玄は「食よく人を養い、また病いを医す」と考え、食医とも呼ばれた人です。

 

今の世の中、食への考え方や食による健康法は千差万別あり、手軽にできるものは飛びつきやすい代わりに、ブームで終わるものも数知れません。

 

その中で、石塚左玄が提唱してきた、一物全体食や身土不二を重視した食養生はマクロビオティックや数々の食養法の流派にも影響を与えて、その教えは広く、長く、今に続いています。

 

医学が一つの臓器だけを見る治療から、人間全体を見る治療に代わってきた中で、栄養に対する考え方も栄養素だけで考える時代から、命ある人と食の流れを考える食育の時代になりました。

 

郷に入っては郷に従えというように、その土地によって食育の内容は変わります。
「冬なれば夏減じたる肉玉子、春秋よりも多くしてよし」
これも石塚左玄の言葉。

 

日本の食育にはやはり「四季」が重要なポイント。
冬の食を経て、春の食をしっかり味わいたいものです。