ブログ

日記2014年10月3日 物足りない味のよさ

先日テレビを見ていて、あるラーメンチェーンの社長が出演されていました。
社長自ら、「うちのラーメンは普通です」とおっしゃっていて、
「あまりおいしくし過ぎると飽きちゃうんです」と言われました。

 

以前にも同じようなことを言われたお弁当チェーンの社長がいます。
その方も「おいしすぎるものは商品にしない。物足りないくらいの方が飽きない。」と言われ、
毎日食べてもらうには、家庭の味に近づけること、物足りないくらいでちょうどよいという
信念を持ち、どちらの企業も事業を成功させて東証に上場するようになりました。

 

家庭の味とは、物足りない味(濃すぎない味)、インパクトを求めない味(旨味を強くしない味)、
おいしすぎない味(調味料や香辛料で麻痺させない味)ということで、
結果的にこれが長く愛される味となり、飲食店として継続できる理由になっています。

 

私は今は家庭の味がお店の味に近づきすぎているのではないかと心配しています。
普段、外食をしておいしい味をおぼえると、家庭でもそれを再現しようと思いますが、

やりすぎると飽きてしまい、また料理することも疲れてしまいます。
家庭の味は素材をシンプルに、毎日食べても飽きない味、これにつきます。

 

さて、別の話題です。
野菜嫌いの子供をもつ親の悩みをいろいろな所で聞く機会があります。
実のところ、その野菜の味が本当に嫌いかどうかは子供にはわかっていない場合も多く、
どこかでその食べ物のマイナス情報を聞いて、食べなくなっているという
場合も少なくありません。
これを食べず嫌いと言いますね。

 

子どもの頭の中には、その食べ物をイメージすることで、
襲ってくるような・・、怪獣のような・・、どろどろしたような・・、その存在が許せないという
マイナスイメージがしぶとくつきまといます。

味よりも見た目で判断している場合も多いです。

これは子供のうちに早く取り除きたいものです。
子どもが間違って記憶したイメージですから、それは意外に簡単に変えることはできます。
お腹を空かせる、子どもが好きな人が美味しそうに食べているのを見せる、
みんなで一緒に食べる、環境を変えるなどなど。
イメージを変えることと、食べやすくすることが大事なんですね。

 

昔の親たちも、同じ悩みをみな体験しています。
そんな時にどうしていたかを聞いて見ると
子どもの嫌いなものは「毎日出す」と言います。
食べても食べなくてもいいから食卓に出す。

いつかお腹が空いた時にタイミングよく口にできればしめたもの。
そこでおいしいと感じたら、だんだん食べるようになるという事です。

 

これが結果的にその家の味を子どもに伝えることに繋がっていきます。
子どもはお腹が空いたら我慢はできません。

食べることは毎日のことですから、気を長~くして、待っていてあげてくださいね。