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日記2012年10月28日 好き嫌いの克服法

食べ物の好き嫌いはありますか?
私は現在、大学で食育の授業を行っていますが、最初の授業で、
学生に自らの食歴について振り返ってもらいます。
そして今までの食生活について気づき、そしてどのように考えたかを
レポートにしてもらいます。
その内容から導き出されたことは、18歳になるまでに、
食べ物の好き嫌いを克服するチャンスは3段階でやってくることがわかります。
一段階目に来て、一番大きな関わりを持つのが家庭です。
現在、好き嫌いが少ないという学生の言葉には
「母が野菜をたくさん入れたみそ汁を出してくれた」「朝食は絶対食べなさいと言われた」
「祖母が作った野菜を食べた」「好き嫌いをしないのが家訓だった」
など、食べることへのしつけや家庭での習慣など、
親や家族が関与する言葉が非常に多くありました。
2段階目には学校給食の関わりです。
「給食がおいしかった」「先生から残してはいけないと言われた」
「友達と食べるのが好きだった」などがあり、やはり給食の存在は大きいことがわかります。
そして、3段階目は部活動です。
これは中学生以降になって、好き嫌いを克服したきっかけとしては
大きな役割を果たしていました。
「部活に入って3食しっかり食べるようになった」
運動量が増えることで、自然と食欲が増進し、栄養バランスや食事への
関心が高まります。
そして規則正しい生活をするきっかけにも貢献していました。
好きな食べ物が多い子、食生活が健全な子には共通点がありますね。
まずは食に対する関心の高さ、そして家族や周りの大人の声がけが多く、
将来的によい結果になっていました。
対照的に今でも嫌いなものが多い、と答えた学生の言葉を見て気がつくのは、
食べることに対して関心がなかったことや、家族や周りの大人が関わるような話が
出てこないということでした。
ある学生の言葉です。
「今でも嫌いなものがたくさんあり、箸をうまく持てない。
小さい頃にもっと食べさせてくれたり、教えて欲しかった」
そして、このように言う学生もいました。
「嫌いなものを嫌いなままにはしたくない。自分でこれから挑戦する意識を持つようにしたい」
このように考えられれば、克服することは可能です。
食歴をたどることで
食を通じて自分の生活を見つめなおし、また食が生活の中心であることに
あたらめて導いてくれたという気がします。
ところで、大人になってしまった後に好き嫌いの克服をするにはどうしたらいいか?
その一つの方法としては、食べ物が作られる場所に足を運んで、
採れたての新鮮なものを食べて見ることです。
嫌いな食べ物を違う角度から見て、周りの人が美味しそうに食べることで、
関心が高まり、食べてみようかな・・・と思えば、しめたもの!
これって、子供の食べず嫌いを直す方法と同じですね。
食育体感ツアーの動画紹介が出来て、ホームページにアップしています。

来年のツアーは5月の田植えから予定しています。
食育体験をしてみたい方はぜひお待ちしています!