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日記2014年8月13日 ピザトーストと家庭科授業

夏休みが始まり、日焼けした子供達の元気な姿を多く見るようになりました。

子どもが集まり、遊び始めると、急にみんなで駆け出したり、追いかけっこをするのが好きですが、なぜにあのように楽しく走りまわるのが好きなのか、不思議に思います。

 

嬉しくて走ってしまうのか、エネルギーがあり余っているのか、成長ホルモンが刺激するのか、そこに道があるからか・・・
と、そんなことを考えるひまなく、理由もなく走るのが子供。

自分の内から出てくるものをすぐ表現できること、それこそが子供を子供らしくする姿です。

夏は海に行ったり、キャンプしたり、走りまわる機会がたくさんあり、子供にとってはいい季節です。

 

先日、以前から動向をチェックしていた、高校で行われている家庭科の授業の話を聞きました。

高校の家庭科授業は、親元を離れ、自立に近づく時期に、生活のすべを学ぶ大事な機会になりますが、その授業がどんどん減らされてきていることにとても心配な思いで見ています。

 

家庭科の授業というのは、
20年前に中学校で男女共修が始まり(それまでは女子は家庭、男子は技術と分かれていた)、高校の家庭科においても、男女共修になって、授業の内容が大きく変わりました。
この背景には、世界的に女性の地位向上の機運が高まる中、国連が女性差別撤廃条約を採択して、日本政府がこれに合わせて、
家庭科の男女共修化を進めたことにあります。

 

男女が同じ知識を学び、分野が広がることはよい方向でしたが、問題なのは、学ぶ内容が増えたのに、学ぶ時間が減ってしまったことにあります。

家庭科の授業というのは、実験や実習をすることで身につくものが多い中、時間がないことで、それができなくなっています。

1回50分の授業で調理実習を行う難しさは、家庭科の先生の頭が痛いところです。
一汁三菜どころか、パスタメニューを1品作るのも精一杯だったり、ピザトーストを作って実習が終わりの学校もあります。
ピザトーストさえ作る時間がないところは、先生が作っているのを観察するだけ。
これで自分の食事を作れるようになるのでしょうか?
全てがこの状況ではなく、4単位の授業を確保して、しっかりと調理実習を行っている高校もありますが、それは少数派です。

家庭科のテストでは、実技で液体を計量カップで計る問題もありますが、計り方を知らない生徒も多いそうです。
計り方を学ぶ機会は小学校からあったはずですが、実習の機会がなければ身につかず、また家庭でも行うことがなかったと思われます。

 

このことを私が心配しだしたキッカケは8年前のこと。
離乳食講座でだしやスープの作り方を教えた時にあるお母さんが発した言葉からでした。

「昆布がどこで取れるか知らなかった。だしの取り方も初めて知ったし、だれも教えてくれなかった」

学校で教わるだろう、家庭で教わるだろう、ということがどちらもなかった現実を知りました。

 

食育基本法が成立した2005年から、幼稚園、保育園、そして小学校では調理を取り入れる機会が少しづつ増えているのは喜ばしいこと。

高校でピザトーストを作ることに満足できない子どもたちが増えて欲しいと切に願います。